【人類の敵、マルチタスクを少なくする方法:その3】 行動瞑想を習慣化する
最後にご紹介するのは、いわゆる瞑想ではなく、日々のいつもの行動をマインドフルな状態で行うことで瞑想と同じ効果を得ようということです。なぜ普通の瞑想ではないのか、というと、もちろん目を瞑って呼吸に意識を向ける瞑想の効果は絶大で、古今東西を問わず、ビートルズ、スティーブジョブズ、マイケルジョーダン、その他ビジネス、スポーツ界で有名な方々が瞑想に取り組んでいたことから、お勧め出来ることは間違いないのですが、それでは、今から20分間、定期的に瞑想をやりましょう、といってもなかなか出来る物ではありません。最初、やる気があるときは、数日間続けることは出来るでしょう。ですが、毎日の仕事、家事、不安や不満に満たされている日々を送っている我々にとって、落ち着いた状況での20分間を毎日確保するためには、よほど大きな精神力か、事前の準備が必要です。この事前準備については別にお伝えしようと思います。
さて、行動瞑想ですが、実は行動瞑想ということばの定義はありません。目的を持った行動において、その行動自体に集中することによりマインドフルの状態になり、ひいてはフロー状態まで到達することで、マルチタスクと対極の心身の状態を常に維持しようという考え方です。呼吸瞑想とは違い、ちょっと意識に注意するだけで忙しい日々の行動の中に取り入れられることができるので、お勧めです。
具体的なやり方ですが、行動に意識して集中する、これだけ。本当にこれだけですが、以外ととっかかりが難しいのと、すぐ意識の集中が飛んで忘れる(笑)。ですが、瞑想をやられたことがある方は分かると思いますが、呼吸に意識を集中しても、最初のなれない間は一呼吸で忘れてモンキーマインド状態(笑)。この行動瞑想も、頭で考える行動を行っているときはなおさら、意識に集中することを忘れますが、それでもいいのです。瞑想と同じようにゆっくり意識を行動に戻せばいい。
朝、歯磨きをするときは、磨かれている歯に意識を集中する、車を運転するときは、ハンドルを切る、ブレーキを徐々に踏む、という普段無意識に行っていることに意識を集中してみる。皿を洗うときは、スポンジを取る、洗剤をつける、皿を取る・・・行動に分解して意識する、メールを返信するときは、マウスを持つ、クリックする・・・この瞬間でもう意識が飛びそうです(笑)。やってみたら分かりますが、意識が飛んで数十分その作業に没頭していた、ということが増えてきます。いわゆるフロー状態、素晴らしいですね。きっと作業効率も作業の質も、従来より向上しているはずで、なによりも、つまらないメール処理をつまらないと思いながらではなく、むしろフロー状態で出来たことに意義があります。フロー状態になる為には、その作業自体の意味合いや難易度が自分の能力にとって適度に高いレベルになければなりづらい、といわれていますが、作業瞑想の意識を使えば、簡単な作業でも集中して出来るようになる機会が増えます。
いかがでしょうか?限られた時間の中でやらなければならないことに流されている現代人が、いかに主導権を自分自身に取り戻すことが出来るか、のヒントとなれば幸いです。
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